第507話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その211

 華からは「二人きりでお茶をする」と聞かされたこと。小学生の時にイジメられたのが原因でアニメが好きな事は周りの人に話していない事。そして去年、華の父親が自分の中学に圧力をかけたのがきっかけで大切な友人と別れてしまった事を話し、それで「今は友達を作れないんです」と話したのだ。 

 結の様子が変だと気づいた同級生の一人は、華から聞かされた話とは違う、と察した。華は、同級生に「従妹が、友達を欲しがっている」と言っていたのだ。

 まだ治っていない心の傷を刺激してしまったように、結は俯いていた。それを見て、その同級生は『華さんが嘘をついて強引に連れ出した』と考えたのだ。

 華の父親がまた圧力をかける事で、周りに迷惑をかけてしまうかもしれない。そんな考えも飛び出して頭の中がぐるぐるしていた結へ、同級生は優しく声をかけた。

「無理なさらないで」と、肩へ手を置きながら落ち着かせてくれたその同級生は、華へ「こんなやり方をする人だと思いもしませんでしたわ」と華へ軽蔑した目を向けたのだ。

 さすがに華は「結に友達を作ってあげようと…」と弁解したが、同級生は「今の結さんに必要なのは、無理やり作った友人ではありません」と、華へ注意した。

 その後、華はなぜこんな事をしたのか結に説明した。自分と同じ撫子女学院に通えば、心の傷が癒えて新しい友達ができる、と考えたから、と。

 だが結が今の中学から転校しないのは、償いをするためだ。周りに迷惑をかけてしまったからこそ、やれることでお詫びをしなければならない、と結は考えたのだ。

 その後、結は取り乱してしまった事に頭を下げ、そのまま帰った。華は、他の同級生からも注意されたのだった。 

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