第505話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その209

「今の霧島さんに必要なのは、友達を守れなかった弱い自分を受け入れる事じゃない?」

 今度は、結へそう言ってきた。ただし、華と比べるとそんなにトゲはない。

「誰だって、成宮グループの権力を乱用されれば手も足も出ないわ。たとえ、社長の姪だとしても、ただの小娘ですもの」

 確かに、結自身権力は持っていない。あの時も、父親と会長である祖父の力を借りるしかなかったのだ。

「よっぽど大切な友達だから、ショックが大きかったけど、あなたの事を嫌って別れたの?」

 ズバリ聞いてきた根室に、結は「…いいえ」と答える。

「大切な友達だから、迷惑をかけてしまった自分は離れた方がいい、と」

 初めて、手紙の内容を他者へ話した。

「今のあなたと同じね。嫌いで別れたのではなく、大切な人だったからこそ守るために離れたのよ」

 友人と、今の自分は同じ行動をしている。結にとって、盲点だった。

「そう、だったんだ…」

 根室に言われ、結はようやく友人の行動が理解できた。あの日から、守れなかった自分を責めていたが、なんだか一気に心が軽くなったような気がしたのだ。

 結の目から、一筋の涙が出ていた。それは、抱えていた重たいものを洗い流す涙だった。

「…霧島」

 同じ教室内で、結から離れた場所見ていた満が、小さな声で呟いた。     

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