第503話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その207
「今の私では、友人を守る事は出来ません。だから、私は一人でいることを選んだのです」
一人で居れば、すぐ傍に居る人に迷惑をかける事はない。結は自分だけでなく、周りを守るために友人を作らない事にしたのだ。
「…そんな」
ここにきて、華は今でも結が抱えている心の傷の深さに愕然としていた。
「…霧島」
満は、初めて聞く結の本心に、すぐ次の言葉が出なかった。
「初めて聞いたわ、霧島さんの本音」
教室が沈黙する中、それを破るような声が窓側の席から聞こえてきた。
「根室さん」
自席から立ったボブカットの女学生が、結の方を向いていた。
「そんな辛い目に遭ったから、人付き合いが怖くなったのね」
根室はいつものように歯に着せぬ言い方で、結へそう言ってくる。結は根室の方を向くと、反論せずにただ黙っていた。
「確かに成宮グループの力で傷つけられたら、すぐに立ち直れないわ。身内が周りに迷惑をかけた、となればなおさら」
結の心情を代弁するように、根室は言葉を続ける。
「しかも霧島さんは、自分のせいで周りに迷惑をかけた、と思っているでしょう?だから周りに迷惑をかけないように距離をとっている」
そこまで言われた時、結は肯定するように頷いていた。
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