第502話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その206
「だから、一緒にお昼を食べるのは今日で最後にするね。一緒に居てくれたのは、根津さん達から守ってくれるためだったから」
神崎からのさらなる言葉に、華は「ええっ!?」と悲鳴を上げた。
「…実は、成宮さんと一緒にお昼を食べているからって、みんなからいろいろ聞かれているの。さすがにもう疲れちゃったから、明日から一人でゆっくり食べたいんだ」
実は、同じ三組の数名の同級生達から、毎日華についていろいろ聞かれていた。もしかしたら自分達も華と仲良くなりたいから、何度も神崎へ聞いてきたのかもしれない。
「成宮さん、今までいろいろとありがとう。おかげで楽しかったよ」
深々とお辞儀をした神崎に対し、華は何も言えなかった。
「結!」
神崎が自分のクラスに戻った後、華は一組のクラスに駆け込んだ。
結は自分の席で、図書室から借りた小説を読んでいた。華が呼ぶ声に気づいたのか、結は顔を上げる。「どうしました、華さん?」
「結が友達を作らないのは、未だにパパの事を許してないからなの!?」
同級生達から注目されている状態で、華は叫ぶ。結は特に驚くことなく、少し間を置いて口を開いた。
「華さんのお父さんは、一方的な思い込みで私の中学の生活に圧力をかけました。それで私は初めて出来た大切な友達を失ったんです」
淡々と、結は周りにも説明する感じで言う。満と流も、結の話に思わず耳を傾けていた。
「あの時、私は自分の力の無さに絶望していたんです。大切な友人を守れなかった。その心の傷が今でも癒えていません」
華の父親を恨んでいる感じはなく、自分の無力を責めた。周りに同級生が居ると分かったうえで、結は自分の気持ちを話し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます