第498話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その202

「でも、霧島さんがサプリを調べてくれから、事件は解決できたと思うよ」

 誰もが「痩せるサプリ」だと思い込まされてしまったので、結が調べなければ納得しなかった。だから神崎は、事件を解決したのは霧島さんのおかげだと言ったのだ。

「世の中には、危険なものがありますから、念のために…、と思ったからです」

 ネットの記事とかで偽の危険なサプリの話を知っていたから、結はうのみにせずに慎重になったのだ。

(…霧島さんは自慢しないんだなあ)

 成宮グループの社長の姪なのに、ちっとも偉ぶらない。常に控えめで、謙虚な結に神崎は心の中で感心していた。

 ふと、華から「結と友達になって」と言われていた事が頭に浮かんだ。まだ結にはその事を話していないのに、華はすでに「友達同士」と決めつけて、一緒に遊びに行く事を勧めてくる。   

(霧島さんにいわなくちゃ!もし接近禁止命令がなくなっても、霧島さんの気持ちを無視するわけにはいかない!)

 意を決した神崎は、結へ華から頼まれていた事を話し始めた。 

 

 二時限目と三時限目の間の休み時間は、通常の休み時間より五分長い。

 生徒達の間では『長休み』と呼ばれている時間だ。ちょうど真ん中となる時間なので、生徒達にとってちょっと長めに休めるのはありがたかった。

 その時間に、神崎は華を呼び出した。呼び出された華は一組の教室から、廊下の踊り場まで神崎と一緒に歩いて行った。

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