第495話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その199
見たい話を見た結は、レコーダーから取り出したブルーレイをボックスへ仕舞うと、丁寧に棚へと戻した。
(優太君がしっかりと懲らしめるシーンは、本当に見ていてスカッとします)
あかりが酷い目に遭っている時、読者である結は見ている事しかできない。あかりに感情移入してしまい、結も辛い気持ちになる。
だけど優太があかりを助け、意地悪な従妹を懲らしめるシーンを見ると気分が明るくなる。どんな時も寄り添い、味方になってくれる優太の存在が頼もしかった。
(現実は、こんな風にスッキリしない事がありますから)
結が子供向けアニメが好きな理由は、見ていて楽しくなれるからだ。悪い事をしたら懲らしめられ、良い事をした人が報われる。そんな話を見ていると気分が良くなる。
だから現実にイジメに遭っていても、結はまだ耐えられたのだ。大好きなアニメと漫画が、結の心の支えになっていた。
(イジメる方は、何でもネタにしてしまいますから…)
結が周りにアニオタだと言わない理由は、自分のせいで大好きなアニメや漫画を酷く言われたくないからだ。大好きで大切なものだからこそ、自分のせいで酷く言われるのが本当に嫌だった。
「…私は、まだ力不足です」
必ずあかりを助け、意地悪な従妹を懲らしめる優太を見て、結はまだあんな風に友達が困っているのを助けられるか自信がない、と思った。
昨日、中学の時の事件を話したが、他人に話したのは三人組が初めてだ。成宮グループの社長の姪だからっていい思いをしているわけではない、と伝えたかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます