第493話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その197

 公園で解散した後、結は学遊塾へと行った。

 いつものように塾での満点のテストを受け取り、特級クラスで勉強。それらが終わった結は、学遊塾の玄関の前まで一人で歩いていた。

 ふと、結の足が立ち止まった。後ろからにぎやかな声が聞こえてからだ。

「思っていたより、分かりやすかった!」

「レベルが高い塾だって聞いていたから難しいと思っていたら、全然違っていた!」

「これなら楽しく通えそう―!」

 振り向くと、飛騨達三人組が、驚きと楽しさが混ざった顔で会話をしていたのだ。

(どうやら、塾の方は心配なさそうですね)

 三人組は結に気づかず、そのまま通り過ぎる。結は見送るように、その場で立ち止まったのだった。

 

 家に帰った結は、夕飯と宿題、さらに予習復習を終えると口角を上げながら棚からブルーレイボックスを取り出した。

 それは先週の土曜日にようやく手に入った、予約していたアニメのブルーレイボックスだ。ナツミと話をした後、アニメ専門ショップへ行って買ってきたのだ。

(今回は、お父さん達が買ってくれました)

 代金を盗まれてしまったので、もう一度交渉しなければならないと思っていた。が、犯罪に巻き込まれて酷い目にあったから、と両親が特別に買ってくれた。

 なお、もし盗まれたお金が戻ったら、結は両親へ返そうと考えていた。元々自分が貰ったお年玉から出ているが、親が管理しているのでまた預けた方がいいかもしれない、と思ったからだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る