第482話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その186

「本当の理由は、最近綺麗になった同級生が羨ましかった。それで嫌がらせをしていたら、華さんによって懲らしめられてしまった。それが原因で痩せるサプリが買えなくなってしまったので、私を襲ってそのお金を得ようとした、ですね?」  

 右手の人差し指で涙を拭った結が代わりに、犯行動機を説明する。

「…そんな理由で!?」

 飛騨の両親が、信じられない顔になった。完全に自分勝手な理由だと分かったからだ。

「痩せるサプリだなんて、そんなのあるわけないでしょ!?」

 浦の母親も、自分勝手な理由だと知って開いた口がふさがらなかった。

「なんてことをしてくれたんだ!」

 根津の父親の悲痛な叫びが、警察署のロビーに響き渡った。頭を抱え、今にも崩れ落ちそうになる。

「私は、なぜ根津さん達がこんな事をしたのかずっと考えていました。そして今、何となくですが、少し分かった気がします」

 結からの発言に、結の両親以外の全員が思わず注目する。

「根津さんは、御両親が厳しすぎる。飛騨さんは『お姉ちゃんだから』と言われる。浦さんは『妹』だという理由で我慢させられている、と私は思うんです」   

 冷静に語る結の言葉に、三人組はハッとした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る