「無力だと思ったら、力をつければいい。いろんな本を読んで、体験をして、その中から問題を解決する方法を考えていくんだ」

　結の父は、今回はそう教えた。結にとって、一番やりやすい方法で。

「それでも上手くいかない時や、再び無力さを思い知らされる時もある。そんな場合は遠慮なく私達周りの大人に頼りなさい。主人公達だって、周りの人々と力を合わせて解決する時があるのだから」

　たとえすごい力を持っていても、一人ではできない時がある。問題を解決するには、周りの強力が必要になる場合もあるのだ。

「…はい」

　父親の優しさが、結の心に沁みた。

　顔面蒼白。

　三人組の今の様子を表すには、この四文字熟語がぴったりだった。

「…何それ、手も足も出なさすぎるじゃない…」　　　

「権力使って圧力をかけるなんて、怖すぎる…」

「やーちゃん、絶対に耐えられない…」

　ガタガタに震え、飛騨と浦はしっかりと根津の手を握っていた。まるで、絶対に引き離されたくない！と言わんばかりに。

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