第475話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その179
玄関のドアから出てきたのは、女生徒の母親だ。母親は結を見るなり「結ちゃん」と出迎えてくれた。
女生徒の母親も、先週の学校で件は伝えられている。男子生徒が帰った後、母親だけで病院に来て自分の娘を庇って怪我をしてしまった事を何度も謝ってきたのだ。
「ごめんなさいね…、ラインを送った後にまた寝込んでしまって…」
申し訳ない、という顔で結からノートのコピーを受け取る。それでも結はノートのコピーを受け取ってくれた事に口元が少し緩んだのだ。
「いえ、無理しないでください。…私の方こそ、叔父が迷惑をかけてしまって…」
そう言いながら結は顔を下に向けた。自分が成宮グループの社長の姪だったから、周りに取り返しのつかない迷惑をかけてしまった事に落ち込んでしまった。
「一昨日、会長さんが謝罪に来てくれたの。貴女は何も悪くない、と声をかけてくださったわ」
結を慰めるように、母親は優しくその時の様子を話す。それで結の心は明るくなり、顔を上げた。
「会長さんは、結ちゃんとの付き合いは自由にしてもいい、とおっしゃってくださったの」
祖父が『これから友人として付き合ってもいい』と認めてくれたのなら、叔父はもう何も言ってこないだろう。女生徒が、祖父から友人として認められたから。
安心した結は、女生徒が再び投稿する日を待ち望みながら帰路についた。
次の日も、女生徒は学校を休んだ。
結は放課後、ノートのコピーを届けて行った。その時は、また女生徒に会えなかったのだ。
それでも結は自分から連絡せずに、根気よく女生徒からの連絡を待った。学校を休み続けても、無理やり連絡せずに、静かに見守ったのだ。
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