第470話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その174
結の父がドアを開けると、両手に菓子折りを持っていた中年の男性が立っていた。
「…もしかして、お父様ですか?」
顔面蒼白で、その男性は震える声で聞いてきた。申し訳なさと、恐怖で震えていた声だ。
「はい、そうですが。貴方は…?」
そう尋ねた時に、男性の横に同じくらいの中年の女性が立っていたのに気づいた。やや俯いていた顔が青くなっており、肩が震えていたのが結の父にも伝わっていた。
「本当に、申し訳ありません!」
特別室に入った四人の男女は、ベットの上で上半身を起こしていた結へ土下座をしていた。
「うちの馬鹿息子が、大事な娘さんに暴力をふるってしまって…!なんてお詫びしたらいいか…!」
中年の男女の後ろでは、十代後半のショートカットの女性と、結と同じぐらいの少年が土下座していた。女性の肩は震えていなかったが、少年の方は酷く体が震えている。
「霧島…!頼む!俺の父ちゃんと母ちゃんと姉ちゃん達は何も関係ないんだ!」
涙でぐしゃぐしゃになりながら、少年は結へ懇願した。
「父ちゃんは今日、急に会社をクビになったんだ!俺がお前を殴ったから、そんな暴力をふるう子供を持つ社員はいらない!って!」
少年―結を殴ってしまった同級生の父は、成宮グループの子会社に勤めていた。だが、今日の昼休みにいきなり呼び出され、上司から「子供が、本社の社長の姪に暴力をふるった」という理由でその場で解雇されてしまったのだ。
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