第469話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その173
「お父さん、お母さん!」
スーツ姿の両親が、息を切らしながら駆け寄ってきた。
「目を覚ましたのか!」
娘の顔を見た結の両親は、明るい表情になった。
「…ごめんなさい、心配させて」
結が謝ると、結の父は「いや、いいんだ」と優しく声をかける。結の母親も、同じく安堵していた。「学校から『男子生徒に殴られて倒れた』と連絡が来たんだ。検査の結果、異常なしだったから意識が戻ればもう大丈夫だ」
結の父からの説明を受け、結はホッとしていた。後遺症がない、と分かったからだ。
「そう言えば、学校は?」
自分が倒れた後、学校はどうなったのか。結は急に気になった。
「それが…」
結の父は、電話で知らされた内容を説明し始めた。
結が倒れた後、結のクラスだけでなく学校中が騒然となった。
成宮グループの社長の姪が、同級生に暴力をふるわれて倒れた。それを知った校長先生はすぐに、二年生全員の宿泊体験を中止させたのだ。
もし社長の姪が大怪我をしたのを知ったうえで宿泊体験を実行したら、成宮グループからの怒りがこの学校に降り注がれてしまう。それを恐れた校長が、苦渋の決断で宿泊体験の中止を決めたのだ。
「そんな…!」
それを聞かされた結は、呆然とした。他のクラスの人達は何も悪くないのに、と。
その時、特別室のドアから音が聞こえた。それは数回ドアを軽く叩く音だった。
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