第468話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その172

 結が意識を取り戻したのは、その日の夕方だった。

 横になったまま目を開けてみると、保健室ではないと気づいた。そして、頭に何か巻かれていたことも。

「…病院?」

 なぜこんな所にいるのか、結はまだぼおっとした頭で考え始めた。

「―!?」

 結は、勢いよく起き上がろうとした。だが頭が痛み、途中でベットへと倒れてしまう。

「…無事でしょうか!?」

 ゆっくりと起きあがった結は、スマホを探そうと周りを見回す。病院の特別室のベットには昇降テーブルが置かれており、その上に結のスマホが置かれていた。

 結はすぐスマホで、友人へ連絡を取った。ラインで送ったが、数分経っても既読がつかなかった。

「…どうか無事で」

 怒りの拳は当たらなかったから、友人である女生徒に怪我はないはず。だが、精神的なダメージはあるはずだ。     

 スマホを両手に持って、祈るように返事を待っていた結は、特別室のドアが開く音に一度顔を上げた。

「結!」

 入ってきたのは、両親だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る