第464話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その168

 中学一年生の後半は、結は一人で過ごしていた。

 華へ逆ギレしてしまった事は後に謝ったが、それから華とますます距離を取り始めたのだ。

 成宮グループの社長の娘と親戚だという事が知れ渡ってしまい、それで声をかけてくる同級生もいたが、結はあの一件から絶対に深く付き合わないようにしたのだ。

 やがて二年生となり、それから一か月後に転校生がやってきた。事故で片足を骨折しており、松葉杖を突いた女生徒だった。

 

 その女生徒は、結の隣の席だった。それがきっかけで、結はその女生徒と一緒に行動する事になった。

 松葉杖なので不自由な事が多いが、結はちっとも嫌がらなかった。むしろ、進んで手助けしていたのだ。

 さらに、読書が趣味とあって、だんだん仲良くなっていった。休日はそれぞれ自宅で図書室で借りた本を読み、その話で盛り上がる。ここにきて初めて、結は友人と過ごす楽しさを知ったのだ。

 あれから華とは会っていなかったので、ようやく『華さんに邪魔されない』と、結は思っていた。

      

 だが、一か月後に突然、結のクラス全員でその女生徒の世話をする事となった。

 先生からそう言われた後、クラス全員がどよめいた。まさか、自分達も世話を強制されるとは思いもしなかったからだ。

 日替わりで、それぞれ一人ずつそばに居て世話をする事になったのだ。さすがに男子は、女子トイレは入らなくてよかったが。

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