第462話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その166

「…成宮グループの社長の姪だからよ」

 結の父の言葉で、自分の父親に頭を押さえつけられていた根津が忌々し気に呟いた。

「…成宮グループの社長の姪なら、いつもいい思いしてんじゃない…?」 

「やーちゃん達はいつも、辛い目にあっているのー!」

 飛騨と、浦も続けて言う。それは、地元の大企業の社長の姪だから、親にあれこれ押し付けられている自分達と違い、成宮華のように好き勝手できる、という考えがあった。

「何言っているんだ!」

 逆恨みという恥ずべき理由に、飛騨の父親は大きな声で怒鳴る。

「…本気で言っているんですか?」

 少し冷静さが欠けた声で、結が反論した。

「―!?」

 今まで聞いたことがない声に、三人組は一瞬怯む。

「地元の大企業の社長の姪だからって、いつもいい思いをしているわけではありません」

 はっきり言った結の言葉に三人組だけでなく、三組の両親も思わず注目し始めた。

「私は、成宮グループの社長の姪だったことから、大切な友人を失ったんです!」

 悲しみと憤りが混ざった叫びが、三人組へと突き付けられた。

 

 

 今から四年前、結は華とは別の中学校に通っていた。

 理由は、小学生の時に何度も華を比べられたからだ。それで、一度華とは離れて学校生活を送りたかったのだ。

 入学した当時、結は成宮グループの社長の姪とは一切話さなかった。教室ではしばらく一人で過ごしていたが、二人の同級生が声をかけてくれたのがきっかけで、教室で一緒に過ごす事が多くなった。

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