第461話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その165

「うちも、申し訳ありません!!」

「うちの子が、本当にすみません!」

 飛騨と浦の両親も、それぞれ娘の頭を強引に下げさせる。いきなりだったので飛騨と浦も悲鳴を上げたが、聞こえていなかったのか構わず上から頭を押し付けていた。

「一度、頭を上げてください。なぜこんな事をしたのか、この子達から事情を聞かないと」

 結の父は、やや戸惑った顔で三人組の親を落ち着かせる。三人組の親は怒りと恥ずかしさで、ひたすら自分達の娘を強引に謝罪させることしか頭になかった。。

(理由はおそらく、サプリを買うお金が欲しかったから、ですね)

 結は心の中でそう推測する。同級生への嫌がらせに対する罰として、三人組はお小遣いをすべて没収されていたのだ。

 その頃、三人組はある美少女から『痩せるサプリ』を譲ってもらう約束をしていた。だが、お金がないと『痩せるサプリ』が手に入らない。

 それで、その原因を作った華ではなく、従姉妹である結を襲ってお金を手に入れた、という訳だ。

(私を襲ったのは、相談した事がきっかけで華さんに知られてしまったから、それに対しての八つ当たりかもしれません)

 同級生への嫌がらせが華の耳にはいったのは、結が相談したからだ。それで、きっかけを作った結を襲おうと考えたのだろう。

 それに大企業の本社の部長の娘なら、お小遣いも結構もらっているはず。もしかしたら、そんな考えもあったかもしれない。 

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