第449話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その154

「…!?」

 担任も先生にも気づかれていた。その事実に三人組はますます動揺する。

「さらに警察にも鑑定をしてもらいました。学校側も協力してくれましたので、この手紙は貴女方が書いたものだと証明されましたよ」

 まさか警察にも調べてもらっていたとは思いもしなかったのか、三人組は完全に言葉を失っていた。

「…うそ、でしょ!?」

 まだ全身が震えていた根津が、かすれた声で言う。

「被害届を出しましたから。水かけ強盗の事件として捜査していると思います」

 結がそう言った後、三人組は何か思いついたような顔になる。

「…あ、あれは偽のラブレターでおびき寄せて、待ちぼうけになるように仕向けただけなの!」

「だから水かけ強盗に襲われたのは、偶然よ偶然!!」

「やーちゃん達は水かけ強盗とかんけーないよー!」

 手紙を出したのは認めるが、その後水かけ強盗に襲われたのは不運な出来事だ。三人組は、そう主張し始めた。       

「…私を襲った水かけ強盗は、単独犯ではないのです」

「え?」

 思わぬ言葉に、三人組の動きが止まる。

「私は前と後ろ同時に、水をかけられました。これは、一人では絶対に出来ない犯行です」

 もし一人で前後に水をかけようとしたら、前からかけた後、後ろへと移動しなければならない。どんなに急いで移動したとしても、同時に水をかけるなんて不可能だ。

「私は先に頭に水をかけられたので、前に人が居ても分かりませんでした。ですが、その後同時に水をかけられたのは実感していました」

 そう言いながら見せた結のスマホには、水をかけられた後の写真が出ていた。その制服の濡れ具合は、前後同時に水をかけられたことを証明していたのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る