第437話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その142
「なぜ、今になって飛騨さん達へこんな事をしたのですか?」
頃合いを見計らって、結が質問してきた。
「先週、アルバイトへ行く途中で、偶然見かけたからよ。同じ制服の子に無理やりドーナツを食べさせていたところを見て、なんか小学生の頃の悔しい気持ちを思い出しちゃって」
アルバイト先の成宮デパートの喫茶店へ行く途中、たまたま通りかかったドーナツ屋の中をふと見てみると、三人組が一人の女の子に無理やりドーナツを食べさせていたのが目に入った。その女の子は痩せていたので、三人組がその女の子を太らせようとしたのに気が付いたのだ。
アルバイトをしていると、その女の子が成宮グループの令嬢と一緒に喫茶店へと入ってきたのだ。何か話をしていたが、さすがにお客様の会話に聞き耳を立てるわけにはいかなかったので、この時は『あの三人組から嫌がらせをされている』と話していた事に気づかなかった。
「ケーキバイキングの時も神崎さんの様子がおかしかったから、アンタ達がトイレに行ったのを見て問い詰めてやろうと思ったの。でも自分達が『痩せたい』って言っていたから、とっさに閃いたんだ」
偽の痩せるサプリを渡して、それを信じて食べ過ぎた三人組を嗤う。それがナツミが考えた作戦だった。
すぐにネットの画像を検索して、ダイエット用のサプリが入っている瓶だけでなく、少し太った同じ年の少女の体型の水着の写真を手に入れたナツミは、加工アプリを使って三人組を信用させるための写真を用意した。
そしてそれを利用して、三人組へ「痩せるサプリを譲る」約束をさせたのだ。その日の晩、ナツミは薬局で売っていたビタミン剤を、自作のラベルを貼った空の小さな瓶に詰め、後日に三人組へ「タダ」で渡した、という訳である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます