第436話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その141

「でもなんでそんなにキレイにやせたのー!?」

 浦が、突然空気を読んでないような発言をした。

「…中学生になった時に、伯父さん夫婦に引き取られたの。私の両親は仕事ばっかりで、私の事なんか完全にほったらかしだったから」

 ナツミの両親は仕事第一!な考え方を持っており、結婚して子供を産んだのは「周りに言われたから」という理由だった。ナツミは家に帰ったら買ってきた弁当やお菓子を食べ、夜遅くまで一人で家に居ることが当たり前だったのだ。

 そんな生活は、小学校を卒業するまで続いた。それを知ったナツミの伯父夫婦が、ナツミを自宅へと住まわせ、一から食育などをし始めたのだ。

「初めは嫌だったけど、すぐに伯父さん達は私を大事にしてくれるって事が分かったの。一緒に運動したり、美味しいダイエット食を作って一緒に食べてくれたり、私は初めて『家族の愛情』を知ったの」

 一緒に暮らしていくうちにだんだん体が引き締まっていき、肌と髪も綺麗になっていった。今では、先ほどの三人組が『別人!』と驚くのも無理はない、と思えるくらいに綺麗な容姿となったのだ。

 ちなみにナツミの両親は、親戚から「育児放棄をしているんじゃないか?」と言われたのが気にくわなかったのか、今でも親戚の集まりどころか自分達の家に帰ってこない。ナツミは、もうすでに実の両親に対して、期待すらしなくなっていたのだ。

「ちゃんと栄養のバランスがとれた美味しい食事を食べて、楽しく体を動かしたから痩せたの。まあ、すぐに楽な方へ飛びついたり、他の人を平気で邪魔したりするアンタ達にはできないかもしれないけど」

 偽の痩せるサプリにあっさりと騙された三人組を見下すように、ナツミはそう答えた。

「…っ!」   

 実際に騙されてしまった三人組は、反論する言葉が見つからなかったのだ。

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