第430話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その136

「案内しますね。こちらへ」

 たくさんのお客で混んでいる店内を通り過ぎ、結と三人組は奥の従業員室へと歩いていく。

「先に入ってください。今、お茶をお持ちします」

 従業員室のドアを開けたウエイトレスは、ゆっくりとその場から離れて行った。

「失礼します」

 一礼をして結が入ると、真ん中のテーブルにナツミが座っていた。ツインテールのウエイトレス姿で、まるで結達を待っていたように、スマホをテーブルの上に置いていたのだ。

「昼間にいきなり喫茶店へお電話してすみません…」

「ちょっとお~!!」

 結が昼休みに喫茶店を通じて話し合いの連絡を入れた事を言い終わる前に、根津達三人組が怒鳴り始めた。  

「よくも偽のサプリを渡したわね!」

「そのせいで、食べ過ぎて太ったんだから!!」

「なんでそんなことしたのー!!」

 テーブルに身を乗り出しながら、根津だけでなく飛騨と浦も叫ぶ。怒りの声で叫びまくる三人組に対して、ナツミは対照的に涼しい顔だ。

「あの…、根津さん、飛騨さん、浦さん…」

 三人組を落ち着かせようと、結は声をかけながら早歩きで三人組の後ろまで近づく。

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