第425話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その131
「私はそんなに気にしていませんよ。ですから、華さんは私の代わりに怒るのはもうやめてください」
冷静な口調で、結はそう華に頼んだ。
「で、でも…」
結のために怒ったのに、なぜか結から止められた。華は納得がいかなかった。
「なぜあなたが代わりに出しゃばるの?霧島さんは自分が提案したやり方をしなくてもそれでいい、と言っているのに?」
教室の端から、華を咎めるような声が聞こえてきた。
「根室さん…!?」
華に名字を呼ばれたボブカットの女生徒が、自席から立ち上がる。そして華の方へ少し近寄ると、呆れた顔でさらに続けたのだ。
「あなたは霧島さんのために怒っているつもりだけど、結局は自分の思い通りにしたいためじゃない?」
根室の言葉に、華は「え?」となる。
「前にダイエットの方法を教えれば、霧島さんが人気者になれる!と豪語していたけど、教えた後もその人達の態度は全然変わらなかったでしょ?」
確かに、結からダイエットなどの本を教えてもらった女生徒達は、結への態度は変わらなかった。
「…まだ、結果が出てなかったから!」
結へ謝った女生徒は、慌てて弁解する。今はダイエットの方で忙しいから、と。
「さらに何度も酷い事を言っていたあの三人組からのサプリの方を信じたでしょ?あなたにしてみれば、霧島さんへ酷い事を言った三人組の方を信じるなんて、一生懸命選んでくれた霧島さんに対して裏切りだと思ったんじゃない?」
先週の月曜日に、嫌な顔をせずにそれぞれに合わせて本を選んでくれた霧島さんの顔を思い出した女生徒達は、華がなぜあそこまで怒ったのかようやく理解ができたのだ。
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