第424話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その130

「反省文って、結は肩を殴られたんでしょ!?」

「そんなに酷い怪我ではないので。その人はちゃんと謝ってくれましたし」

 肩を殴られたおかげで、全員話を聞いてくれるようになった。だから結は肩を殴られた事はまったく責めなかったのだ。

「…あの、霧島さん、ごめんなさい」

 華に叱咤されていた女生徒が、びくびくしながら結へ謝罪してきた。 

「霧島さんにダイエットの本を選んでもらったのに、浦さんからもらったサプリがあるからってついサボっちゃったの…」

 華はこの事を責めていたらしく、それで泣きそうな顔になっていたのだ。周りにいた同級生達は、どう声をかければいいのか戸惑っていた。

「いえ、別にかまいませんよ。これからもう一度始めればいいですし、もし合わないと感じたら別の方法を試せばいいのですから」

 結は責めるどころか、励ますように話しかける。結から責められなかった女生徒は、怖がっていた気持ちから解放されていった。 

「ちょっと結…!?」

 怒るどころか、逆に許した結に華は戸惑う声を出した。

「どうして華さんが、そこまで怒るのですか?」

 結ははっきりとした声で、そう質問した。

「…え!?だって、結が苦労して選んだ本のダイエットをやらなかったのよ!?それどころか散々酷い事を言ってきた浦さんの方を信じて、怪しいサプリに頼ったのよ!?結の努力がないがしろにされて、頭に来ると思わない!?」 

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