「…もしかして、こちらの写真は加工しているんじゃ…？」

　結からの指摘に、根津達女生徒は「えっ！？」と叫ぶ。

「…加工って、写真加工アプリでやる場合、体型を細くするよね…！？」

　写真加工アプリの説明文の中には『自然に体型加工ができる』と書かれているものがある。中には全身を補正できる、と説明してあるアプリがあるのだ。

「こちらのナツミさんの体型は、全身をよく見てみると腕の形とかが少し違うんです。それに、良く見てみるとナツミさんの首の位置が、わずかですがズレているんです」

　飛騨がスマホを取り出すと、もう一枚のナツミの水着の写真を出した。それと見比べてみると、確かに体型が全く同じだと思えなくなったのだ。

「そして、ナツミさんの肩には黒子があります。だけど、ふっくらしている方のナツミさんの肩にはその黒子がありません」

　右肩をよく見比べてみた女生徒達は、すぐに「あっ！」と声をあげた。確かに結の言う通り、痩せた方のナツミの肩に黒子があったが、ふっくらとした方には黒子がなかったのだ。

「…じゃあ、こっちの写真は…！？」

「もしかしたら、ネットで似た体型の写真を探して、合成したのかもしれません。写真を合成できるアプリはありますし」

　こないだの休みで再放送されていた、昭和の時代の刑事ドラマでアリバイに使われていた写真が合成だった事を思い出しながら結は推測した。　　　　　

「な、なんでこんな事を！？」

　太っていた過去が、実はでたらめだったという推測に、根津は混乱し始めた。

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