第419話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その125

(…まあ、ビタミン剤だと知って、のんきに構えすぎてしまったのは良くない判断だったかもしれませんね…)

 もしナツミが渡したサプリが違法薬物だったら、結は警察に通報する前にナツミへ自分から話すように説得するつもりだった。だが、ビタミン剤だったため、結はその時のナツミからの話を信用してしまったのだ。

「もう、そのサプリが原因の喧嘩は止めてくれませんか?ここで喧嘩したとしても、食べ過ぎてしまった分のカロリーは消費できないと思いますが」

 どんなに怒鳴り声を出したとしても、偽のサプリを当てにして食べ過ぎてしまった分は減らない。

 喧嘩するよりも、もう一度正しい方法でダイエットした方がいい、と結は思ったのだ。

「………………」

 嫌な顔をせずに、一人ひとりに合ったストレッチの本を選んでくれた結の言葉に、申し訳なさを感じたのか女生徒達は顔を下に向けてしまったのだ。

 

 結からの言葉で喧嘩が収まった後、玄関から数人の教師達が駆け寄ってきた。     

 その中に、秋野先生がいた。自分の生徒である三人組が喧嘩している、という知らせを受けたからだ。

「霧島!何があったんだ!?」

 秋野先生だけでなく、結の担任の春山蒼太郎先生の姿があった。春山先生は結が居たことに気づくと、やや慌てた顔で聞いてきた。

「喧嘩していたので、仲裁しようと…」

 結は、担任の先生へ説明する。その時、左肩に手を当てていたのを見て、春山先生は「怪我をしたのか!?」と聞いてきた。

「私は、大丈夫です。怪我している方は、いませんから」

 結以外の女生徒達は、誰も怪我してなかった。ただ、全員また青い顔になってしまったのだ。

「これはどういう事なのか、説明してくれないか?」

 青い顔の三人組へ、秋野先生は三人組を落ち着かせながら説明を求めた。

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