第417話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その123

 結から結果を聞いた秋野先生は、土曜日の夜に電話で三人組へそれとなく話した。やや曖昧な言い方で、もし飲んでいたら、すぐに止めるように。

 金曜日に連絡しなかったのは、そろそろ飲んでも効果がないと気づき始めているのでは?と判断したからだ。だが、そのサプリの瓶には『効き目が出るには個人差がありますが、遅くても飲んでから一週間後に効果が出ます』と書かれていたため、三人組と女生徒達は『効果がない』事に全然気づかなかった、という訳だ。

「秋野先生も知っていた、ってこと…!?」

「だから一昨日、あんな電話をかけてきたんだ…!」

 飛騨と根津が、呆然とした顔になった。まさか、先生にもサプリの事を知られていたとは思いもしなかったからだ。

「危険がないと判断したため、先生方もそんなに強く言わなかったのですが、まさか他の人にも配っているとは思いもしませんでした」

 三人組と揉めてたのは、先週の月曜日に『痩せたい』とストレッチの本を選んであげた女生徒達だ。おそらく、三人組から「簡単に痩せるサプリがある」と言われ、飛びついてしまったのだろう。

「なぜ、簡単に信用してしまったのですか?良く調べてみれば、短期間で痩せるサプリなどない、と分かるはずです」

 決して責めているのではなく、なぜ日ごろから嫌味などを言っていた三人組の話を完全に信じてしまったのか。結はその理由が知りたかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る