第412話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その118
『電話が来たのは、土曜日の夜よね?なんか、まるでこっちがそのサプリについて知っているんじゃないか?という感じだったけど』
飛騨がそう返事をすると、根津はこう続けた。
『もし知っていたら、決して飲まずにすぐ知らせてほしい、って言ってたわね』
『なんか、飲んじゃダメー!って感じだったよねー』
自分達の担任である秋野先生の電話を取った後、三人とも『全然知りません』と答えた。
『なんであんな事聞いてきたんだろー?サプリの事は、霧島結が本を選んだ子にしか言っていないのにー?』
三人は痩せるサプリを、結が本を選んでアドバイスをした女生徒にも配っていた。もしそれで、その女生徒達が簡単に痩せれば、霧島結をがっかりさせる事ができて憂さを晴らせる、と考えたのだ。
『サプリをあげた子達はみんな喜んでいたから、先生にチクるとは思えないし』
根津がそう書くと、飛騨も疑問の言葉を続ける。
『霧島結は知らないはずだし、別のサプリじゃない?』
結はナツミとの会話を盗み聞きしていたからサプリの事は知っているが、自分達が手に入れたという事は知らないはずだ。しかも、親から持っていたお小遣いをすべて没収されたから、手に入れる事はできない、と思っているはず。
『明日が楽しみだねー。それじゃあ、おやすみー』
ラインを止めた三人は、わくわくしながら眠りについた。
月曜日の朝、結は少し早めに学校へ来ていた。
まだあまり生徒が居ない一組の教室の自分の机に鞄を置くと、すぐ三組へと向かった。三組への教室の前に着いた結は、そっと教室のドアを開ける。
「失礼します」
そう言いながら三組の教室を見回す。だが、三人組の姿はどこにもなかった。
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