第410話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その116

「霧島さんは優しいけど、どこか人を寄せ付けないって雰囲気があるの。まわりから一歩引いているって言うか、自分から離れて見ている、そんな感じがする」

「もし仲良くなりたいって言ったら、仲良くしてくれそう?」

 神崎が語る印象に、ナツミはそう質問した。

「してくれる…、と思うけど、霧島さんに無理をさせそう。霧島さんは自分より他の人を優先させるところがあるから」

「正直な話、神崎さんは仲良くしたい?」

「…無理に仲良くしようとしたら、霧島さんに迷惑をかけそう」

 ナツミからの質問に、神崎は考え込んだ後、申し訳なさそうに答えた。 

「それが、神崎さんの答えじゃないかな?」

 そう言われた神崎は、ハッとした顔になる。結の事を思うからこそ、結に迷惑をかけたくない。

「そんな状態で無理に友達になっても、お互い心に負担がかかると思うよ。友達って、ただそばにいるだけで心が安心して、お互い無言でもリラックスできる存在じゃないかな?」

 優しい顔で話すナツミの言葉に、神崎は心の中の迷いがなくなっていくのを感じた。

「この事は、霧島さんに話した方がいいよ。もし友達にならなくても、一緒にあのお嬢様を納得させる方法を考えてくれると思うし」

 昨日、喫茶店の奥の従業員室であの三人組についての話をした時の事を思い出しながら、ナツミはそう提案をする。

「…うん!ありがとう、ナツミさん」

 もし成宮さんからの提案を断ったら、成宮さんは失望して弁護士からの処置を解除するかもしれない。

 ここ最近の華の言動や態度を見ていると、ついそんな考えが浮かんでしまうのだ。だから神崎は『もしそうなったらどうしよう』と悩んでいた。

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