第407話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その113

「成宮さんにはホント、助けられたよ」

 本当に、もし華がいなかったらあの喫茶店で食べられないほど多かったケーキを押し付けられたうえ、望んでいないケーキバイキングの代金を無理やり支払わなければならなかった。

 その代金を払わずにすんだのは、成宮グループの社長令嬢である華が力を貸してくれたからだ。もちろん、華へ協力してくれるように話した結への感謝も忘れていない。

「あの、ロングヘアの、お嬢様って感じの華やかな子?」

 喫茶店の事を思い出していたナツミは、神崎へそう聞いてきた。

「そうそう!」

 ウエイトレスとしてあの場に居たナツミも、同じ印象を抱いていたと知った神崎は同意するように返事をした。

「そっかあ、綺麗な子だよね」

 誰もが認める美少女であるナツミも、華の外見の美しさに嫉妬することなく褒めていた。

「うん…」

 神崎も、華の外見が綺麗だと思っている。しかし、最近は華に対しての印象が変わりつつあるのだ。

「どうしたの?」

 神崎が急に困った顔になったのを見て、ナツミはさりげなく聞いてきた。

「……」

 口をつぐんでいたのは、最近華に対して思っている事を話していいか悩んでいるからだ。

 ナツミにとって華は、成宮グループ会社の社長令嬢である。ホワイト企業である成宮グループの事業の一つである喫茶店でアルバイトしているナツミに、その社長令嬢からの提案について悩んでいる、と話してもいいのだろうか、と。

 それにナツミとはここで会ったばかりでそんなに親しくない。いきなり個人的な悩みを聞いてもらって、迷惑をかけてしまうのでは、と思っていたのもあった。   

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