第397話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その103
放課後、結と華の同級生達が玄関で靴を履き替えていた。
「なかなか効果でないねー。毎日ストレットやっているけど」
一人のロングヘアの女生徒が、隣に居た二つ結びの女生徒へそう話す。
「うん、霧島さんは『ダイエットは長期戦だって言っていたけど、早く痩せたいよね」
二人共、結にダイエット用の本を選んでもらった生徒達だ。思ったより早く効果が出なかった事に対してやや不満が出始めたようだ。
「簡単に痩せる方法があるよー!」
後ろから、いきなり声をかけられた。振り向くと、セミロングの小柄な女生徒が立っていたのだ。
「…三組の!?」
「そんなに警戒しなくていいよー。いい事を教えに来たからー」
警戒心を解かせるように、ニコニコ顔で話しかけた浦は、黄色い粒を乗せた右手を女生徒達へ見せたのだ。
「…それは!?」
「飲むとすぐに痩せるサプリだよー!成宮デパートの喫茶店のウエイトレスの子も、これを飲んで綺麗に痩せたんだってー!」
一昨日、華に呼ばれてケーキをご馳走になった時、その喫茶店で見かけたウエイトレスを思い出していた同級生達は、警戒心が解けたのか、浦のその話に耳を傾けてしまったのだった。
次の日、結は両親と一緒に成宮グループのデパートに行った。
土曜日の午前中とあって、デパートの中はあちこちに買い物客がいた。どのフロアも、一目で分かるくらいに老若男女で混雑している。
結達が向かったのは8階の喫茶店だ。休日なのか、ケーキバイキング目当てなのか、すでに二十人以上も入り口から並んでいたのだ。
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