第393話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その99

「もし私が聞かれたら『廊下に落ちていたので拾った。どんなサプリなのか分からないので、調べてもらった』と言います。なるべく野崎さんに迷惑がかからないようにしますね」

「そんな…!迷惑だなんて」

 野崎にしてみれば、こちらが結へ酷い事をしてしまったのに、根津達がサプリの件でまた何か言われないように対策をたててくれるとは思いもしなかったのだ。

「それにもし根津さん達がこのサプリを飲んだとしたら、万が一の事を考えておかなけばなりません。だから早く調べておきたいのですが、よろしいですか?」

 さらに、結は根津達まで心配しているようだった。この前根津達三人組が、教室で結に酷い言葉を言っていたことは、当時同級生としてその場にいた野崎も目撃していた。

―この人はどこまで優しいんだろう。あんなに酷い事をした人達まで心配するなんて。

 結の優しさと、心の強さに、野崎は手に持っていたサプリをそっと渡していた。       



「何それ…!?」

 図書室から戻ってきた結の話を聞いた華は、予想外の結果に驚いた声を出していた。

「野崎さんは、私にダイエットの本を選んでもらいたかったんです。それで、華さんへあんな手紙を出したのです」

 一組の廊下の前で、結は冷静に説明を続けた。 

「根津さん達は普段から、周りの人にいろいろと嫌味とか言っていましたので、もしそれを知られたら言われてしまうのが嫌だったから、先に根津さん達へ圧力をかけられる華さんと接していれば、さすがに根津さん達から言われずにすむだろう、と思って手紙を出した、とおっしゃっていました」

「…じゃあ、結と友達になりたいって、嘘だったの…!?」

 信じられない!?と言わんばかりに、華はパニックになった。

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