第392話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その98
「私が痩せたいって知っていたから、これを飲めばすぐ痩せれるって…」
これを手渡されたのは、今日の朝だった。やたらと上機嫌だった三人組から「昨日のお礼」として無理やり受け取らされたのだ。
「それで、飲まれたのですか?」
「…ううん、飲んでないよ。簡単に痩せれるサプリはないって知っていたから」
野崎は飲んでない、と知った結はホッとした。
「それなら良かったです。もしかしたら、違法薬物かもしれませんから」
「違法…薬物!?」
野崎が、悲鳴に近い声をあげた。まさか、テレビのニュースでしか聞かない物騒な物だと思わなかったからだ。
「この錠剤がそうなのかは、詳しく調べてみないと分かりません。それで、成宮グループの製薬会社に見てもらおうと思いますが」
成宮グループは幅広く事業をやっているので、薬も取り扱っていた。社長の娘の親戚である結が頼めば、すぐ引き受けてくれるだろう。
「それで、このサプリを私に譲ってくれませんか?もし根津さん達に聞かれたら、どこかで落とした、とおっしゃってください」
「えっ!?」
結からの頼みに、野崎はさらに大きな声を出す。
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