第389話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その95
「もし、今話したくないのなら、都合のいい時でもいいですよ。私はいつでも、お聞きします」
決して無理強いをしない結の優しい言葉に、野崎は勇気をもらったように逆に心を決めたのだ。
(もし酷い内容だったとしても、霧島さんは絶対否定しない。最後まで聞いてくれて、受け止めてくれる)
結の言動と表情から、野崎はそう確信できた。だから、本当の事を打ち明ける勇気を出せた。
(今、打ち明けるんだ。これ以上、霧島さんに嘘をつかないために!)
「霧島さん…!実は…!」
目から涙がにじみ出た顔で、野崎は結へすべて打ち明けたのだ。
「…そうだったのですか」
野崎からの話をすべて聞いた結は、それを責めるような顔を一切しなかった。
「…飛騨さん達に脅されて、あの手紙を書いたの。成宮さんを霧島さんから引き離すために」
野崎が飛騨達三人組にそう脅されたのは、昨日のお昼休みだった。少なめな弁当を食べ終えてトイレへ行こうと教室を出た後、廊下であの三人組に囲まれてしまったのだ。
三人組から逃れられない状態で、野崎は根津から華へ「霧島さんと友達になりたい」という内容の手紙を出すように命令した。
そうさせたのは、昨日華だけが三組の教室へ来た時に「結とはもう友達なんだから。それにもっと友達を増やしたいし!」と言っていたのを聞いていた根津が、華をおびき出すには『友達になりたい』という言葉が効くのでは?と思ったからだ。
その内容の手紙を出したら、華は見事に引っ掛かってくれた。玄関から少し離れた場所で見ていた三人組は、あれだけ権力で自分達を圧倒した華があっさり信じておびき出されたのを見て、つい大声で笑いそうになったのだ。
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