第383話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その89

「…って流、お前喫茶店に入ったのか?」

「ああ。コーヒーだけ頼んだ。成宮さんには気づかれないように離れて座っていたし」

 そう安くはなかったが、華を守るための必要経費として惜しみなくコーヒー代を出した流であった。

「そうそう、霧島が襲われた、って話は絶対に成宮に話さないでくれ。もしバレたら、成宮は親の力を使って警察に早く犯人を捕まえるように頼んだり、霧島を守ろうとして周りに何か言い出すかもしれないし」

 華が結を気にかけているのは、満達同級生にも伝わっている。ただ、肝心の結の気持ちを全然考えないで突っ走ってしまう事が何度もあったのだ。

 もしかしたら、それが周りに良くない影響を及ぼしてしまうかもしれない。結から強く頼まれた事もあって、満は流以外にはこの事を言わないようにしたのだ。 

「分かった。誰にも言わないでおく。それで、霧島は満のじいちゃんに話したんだよな」

「ああ!それから、霧島の両親も警察に被害届を出すって言っていた。霧島の父ちゃんの友人に刑事がいるって言っていたから」

 前に、結がそう話していたのを思い出しながら、満は流へそう話した。

「それはすごいというか、心強いな。やっぱり成宮グループの社長の兄だから?」

「いや、学生時代からの友人だって言っていた。霧島の父ちゃんは、あまり成宮グループの力を使おうとしないみたいだ」

 結も親戚だからって、成宮グループの権力をあまり使おうとしない。父親がまず自分でできる事からやろうとする姿勢だから、結も親戚の権力に頼るより自分の力で問題を解決しようと考えるのだろう。

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