第377話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その83

「となると、霧島を襲った犯人は、あの公園へ来ることは知っていた、って事になるな」

 満がそう推測すると、結はそっと肯定するように頷いた。

「私が来ると知っていれば、先回りしてあの公園にあったペットボトルに水道水を入れて、待ち伏せする事は可能です」

 犯行に使われたペットボトルは、公園に置かれていた自動販売機の飲み物と同じラベルが貼られていた。わざわざ別の所から持ってくるより、あの公園のゴミ箱にあったペットボトルを使った方が早く用意できる。

「手紙は確か、高校の靴箱に置かれていた、と言っていたね?」

 満の祖父が確認するように聞くと、結は「はい」と答えた。 

「もし外部の人が靴箱にまで入ってきたら、必ず学校へ通報があるはずです。もしそれがなかったら、この手紙を書いた人は、学校の関係者だと思われます」

 怪しまれずに手紙を置けるとしたら、一年の生徒が一番可能性が高い。もし見られても「間違えた」と言い切れば上手く誤魔化せるから。

「私は明日、学校へこの手紙を見せて水かけ強盗の事を話します。もしかしたら、この手紙を出した人が分かるかもしれません」

 手紙の筆跡から差出人が分かれば、犯人につながる手がかりが得られる。それを警察に伝えれば『水かけ強盗』の捜査に役立つかもしれない。

「分かった。この事は警察にも話しておこう。もし犯人が別人だったとしても、君が襲われてお金を奪われた事件も解決したいからね」

 この後、両親にも話して被害届を出す事を考えていた結は、満の祖父からの言葉に「ありがとうございます」と頭を下げたのだった。  

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