第370話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その76

 後ろから水をかけられた!結がそう認識しながら振り返ると、   

「!?」

 いきなり顔に、再び冷たい水を浴びせられた!

 眼鏡もびしょ濡れになり、良く見えない状態だ。眼鏡を拭こうと、学生鞄を置いてブレザーのポケットからハンカチを出そうとすると、

「―っ!?」

 前と後ろ、同時に水をぶっかけられた!

 今度は制服までびしょ濡れになってしまい、体の方も水の冷たさを感じてしまう。スカートもずぶ濡れになってしまい、裾から雫がぽたぽたと落ちて行った。

 驚きで混乱しそうな頭を、何とか落ち着かせようとした結は、少し濡れたハンカチを取り出すと、急いで眼鏡を拭いた。

「あっ!?」

 右側に置いてあった学生鞄が、なくなっていた!眼鏡をかけてハンカチで軽く頭を拭いた結は、周りを見渡したのだ。    

「あった!」

 学生鞄は、公園の入り口に置かれていた。結は慌てて学生鞄の中を確認した。

「………!?」

 教科書とノートは、無事だった。だが、財布の現金がすべて抜かれていたのだ。

 結は長財布の中を詳しく調べてみる。小銭を入れるファスナーの部分には、とても大事な物が入っているからだ。

「…良かった!」

 その中に入っていた、今日発売のアニメのブルーレイボックスの予約券は無事だったのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る