第368話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その74

 休み時間だけでなく、昼休みも三人組は三組の教室の隅でおとなしくしていた。ただ、よく見てみると何かしていたようだったが、同級生達はちらちらと遠巻きに見ていたので、何をしていたのか分からなかった。        

 神崎は休み時間ごとに華に呼ばれて一組の教室に居たので、三人組の様子は分からなかったが、もう気にしないでおこうと思い始めた。

 弁護士から接近禁止命令が出ているから、もう何もしてこない。そう思うと少しずつ気が楽になってきた。

 

 この日は、月に一度の『すべての部活が休みになる日』だった。

 月初めに、どの日が休みになるのか初めて知らされるのだ。これは、すべての部活の予定を照らし合わせてから決めるからであった。

 学生鞄を持って、一緒に玄関まで来た結と華は、下駄箱を見た瞬間、靴の上に置かれていた白い物が目に入った。

「手紙…ですね」

 四角い封筒が、それぞれ結と華の靴の上に置かれていた。封筒には、それぞれの名前が書かれている。

「何かしら?」

 華が封筒を手に取り、開けてみる。すると、華はだんだんご機嫌な表情へと変わっていったのだ。

「どうしました?」

「結!貴女と仲良くなりたい子がいるって!」

 華がテンション高い声で、結へ手紙の内容を話し始めた。

「まず、私から話を聞きたいって!結は、なんて書いてあるの!?」

 華に急かされ、結はそっと手紙を開いた。 

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