第365話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その71

 根津達は朝、いきなり文句を言ってきたので、華に逆恨みをしているのは想像ついた。

「それなら特に問題ないわ。もし私がターゲットになったら、返り討ちにすればいいだけよ」

 成宮グループの令嬢ゆえの、余裕たっぷりな表情を浮かべながら、華はそう宣言した。

「いや、君以外がターゲットにされる可能性がある。君の大切な人が苦しむ姿を見て、憂さを晴らそうとするかもしれないんだ」

 秋野先生の言葉に、華はようやく気づいた。確かに、従姉妹である結が狙われる可能性があるのだ。

「だったら結は、私が守るわ!根津さん達からの逆恨みから!」

 華が決意を固めた顔で言うと、神崎は少しホッとした顔になった。神崎も、根津達の嫌がらせが霧島さんに向かうのでは、と不安だったからだ。

 だが、成宮グループが守ってくれるとなれば、嫌がらせに遭う可能性は少なくなる。弁護士が付いていると知れば、さすがに手を出してはこないだろう、と。

「もし何かあったら、すぐ話してほしい。この学校は、どんな生徒にも必ず手を差し伸べるからね」

 目の前の他のクラスの生徒達へ、この学校の教師として真剣な顔で秋野先生はそう伝えた。        

 秋野先生が二時限目の授業のため美術室へ向かった後、結と華と神崎はまだ廊下に残っていた。

「どうして、霧島さんが秋野先生と一緒にいたの?」

 神崎からの質問に、結は「教室で本を読んでいた時に、秋野先生が教室のドアから声をかけてきた」と答えた。

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