第363話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その69

「結!…あら?秋野先生?」

 結の後ろに、三十代半ばの男性がいた。黒い長めの髪を後ろへ流し、半袖の白いシャツと黒い細身の長ズボンを身に着けており、どちらかと言うとイケメンな容姿をしていた。

「秋野先生が、華さんに話があるそうです」

 結がそう言った後、秋野先生は華の前へと歩いてきた。落ち着いた表情で、華へこう話し始めたのだ。

「成宮さん、私の生徒が世話になった」

 頭を下げた秋野先生へ、華は「いえいえ、どういたしまして」と答える。

「神崎さんを助けただけでなく、根津さん達を懲らしめた、と聞いた。弁護士に頼んだ、と聞いた時は驚いたが」 

 三組の担任である秋野光一先生がその事を知らされたのは、今日の朝だ。校長先生から直接、話をしたのだ。    

「根津さん達は前から、何度も注意していたんだ。なぜ、そんな事をするのか調べていたんだが、解明する前に接近禁止命令を出されるとは思いもしなかったよ」

 学校側にこの事を話したのは、根津達を遠ざけるためである。その事を知らなかったから行事とかで同じ班になってしまい、根津達がそれで罰金を取られる…というトラブルになってしまうからだ。 

「神崎さん、辛い思いをさせてしまって、すまなかった」

 秋野先生が頭を下げた時、神崎は慌ててしまった。まさか先生が頭を下げるとは思いもしなかったからだ。

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