第361話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その67

「…そう。霧島結が、成宮華にチクったからこうなったのよね」

 同じく考え込んでいた飛騨も、思い出したように呟く。

「しかもやーちゃん達の会話を盗み聞きしてたんでしょー!ホント、性格わるいー!」

 浦も怒りがだんだん出てきた声を出す。逆恨みの矛先は成宮グループの権力に守られている華から、親戚だけど滅多にそれを利用しない結へと向けられたのだ。

「…霧島結から、慰謝料を貰いましょう」

 突然、小声で飛騨がそう提案してきた。

「そうねえ、サプリの分だけでも貰わないとね」

 根津も、賛成した顔になる。サプリが買えなくなるからその責任を取れ、と言わんばかりに。

「さんせー!でもどーやって?」

 浦も片手を上げて小声で同意した。飛騨はスマホを取り出すと、ある情報を二人に見せる。

「…これを利用しましょう」

 その情報を見た根津と浦は、飛騨が考えた作戦に「いいわね」と言わんばかりの悪い笑みを浮かべたのだ。

 

  一時間目が終わった後、華は三組の教室へと向かった。

 三組の教室に着くと、華は静かに教室のドアを開ける。それに気づいた三組の生徒は、すぐに華の元へと走ってきた。

「神崎さんと話がしたいけど、神崎さんは今どこかしら?」

 華の声が聞こえたのか、自席に座っていた神崎が立ち上がる。その近くで話しかけていた同級生へ「ごめん!ちょっと行ってくる!」と言い残して、神崎は華の元へと駆け寄ってきたのだ。

「成宮さん!?」

「いきなりごめんなさい。ちょっと、話があるの」

 そう言った華は、神崎の手を引いて教室から連れて行った。

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