第360話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その66

 これで神崎は、三人組から解放された。学校にも、弁護士を通して事情を話してある。

(もう邪魔をされる心配はないし、神崎さんは気兼ねなく結と友達になれるわね)

 まず、弁護士から預かった慰謝料を渡す時に、聞いてみよう。

 華は神崎だけでなく、結にもこれから楽しい学校生活が待っている。と胸を弾ませていた。

 

 教室に戻った三人組は、隅の方の自席で恨めしそうに神崎を見ていた。

 昨日の事が、この三組の生徒達にも伝わっていたのだ。さらに、先ほど華にやり込められてしまった様子も見られてしまったため、三人組は二度と神崎に近づけない事は同級生達にも知られてしまった。

 神崎は今、他の同級生達に囲まれている。あの成宮華に気に入られている、と思った数人の同級生達が、神崎へいろいろと質問してきた。

 その中には、神崎を心配していた同級生もいた。神崎は同級生達に対し、戸惑いながらも質問に答えている。

「…成宮華のヤツ、余計なことを…」

「弁護士を使うなんて…、ずる過ぎじゃない?」

「お嬢様だからって、何でもやりすぎー!」

 根津、飛騨、浦の三人組は、反省どころか華に逆恨みしていた。三人にしてみれば、華は成宮グループの力を使って、自分達を容赦なく叩きのめしたのが納得できなかったのだ。

「でも、どーしよー。サプリ、買えなくなっちゃったよー」

 弱気になった浦の言葉に、根津と飛騨は悩み始めた。三人とも所持金がゼロなので、このままだと今日の夕方に約束していたサプリが買えなくなってしまうのだ。

 お年玉を貯金している通帳は親が管理しているので、それを引き出すことなど出来ない。このままだと、せっかくのチャンスを逃してしまう。

「…そもそもこれって、霧島結が余計な事をしたからよね」

 腕を組んで考え込んでいた根津が、突然そう口にした。

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