第359話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その65

「でも、さすが成宮さん!あの三人組を懲らしめるなんて!」

「弁護士に頼むなんて、すごい!」

 華の笑顔に安心したのか、同級生達は次々と華を褒めたたえた。

「成宮グループの力は、人々を幸せにするためにあるの。私は神崎さんを助けたかったから、その力を使っただけよ」

 謙遜する華に、同級生達はますます賞賛する。その光景を、結は自席で小説を読みながら横目で見ていた。そして、昨日の夕方、華が喫茶店で行った事を思い出していたのだ。


 華は笑顔で三人組への制裁を宣言した後、喫茶店からスマホで成宮グループの弁護士へ連絡をした。

 先に警察へ言わなかったのは、神崎への接近禁止命令を出すためだ。ここまで酷い嫌がらせをされた事から、華は三人組が二度と近づかないようにした方がいい、と判断したのだ。

 喫茶店までやって来た弁護士へ、結は録音した証拠の音声を渡した。さらに店内の防犯カメラの映像も渡した事で、弁護士は三人組の両親へ納得させる証拠を見せ、無銭飲食と神崎への慰謝料を請求したのだ。

 それぞれの親から喫茶店での支払い分と慰謝料を受け取り、そのお金は後日に華から神崎へと渡されることになっている。華の学生鞄には、そのお金が入った封筒があるはずだ。

(私達が今日、学校で飛騨さん達へ事情を話してお金をもらう予定でしたが、華さんのやり方でないと支払ってもらえなかったかもしれません)

 華が喫茶店へ来る前、結は杉村と竹町で明日、三人組の元へ行ってお金をちゃんと払ってもらおう、と話していたのだ。

 その時の神崎は不安顔だったが、結はいざとなれば先生に話して協力を求める事も考えていた。先生が味方に付けば、うまくいくだろう、と。

 だが、華が弁護士へ頼んだことから、結達の出番はなくなった。交渉のプロに任せたほうが、確実にうまくいくからである。

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