第358話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その64

 持っていたお金をすべて取り上げたのは、神崎へ嫌がらせをさせないためだ。「無理やりお菓子を食べさせた」と聞いたので、嫌がらせのためのお菓子を買わせないようにするためである。

「自業自得よ。それに、成宮グループのお店での迷惑行為を許せるわけないから」

 滅多に見せない厳しい顔で、華は怒りを滲ませた声を出した。

「…成宮さん、怒っている」

「あいつら、神崎に酷い嫌がらせをしていたからな」

 離れた場所で、三組の生徒達がひそひそ話をしていた。この場所からでも、華の怒りのオーラはひしひしと伝わってきた。

「そうそう、その時にウチの弁護士から、神崎さんへの接近禁止命令が出た事は知らせてあるでしょう?だからもう二度と、神崎さんへ話しかけないでね」

 にっこり笑顔で、華は三人組へとどめの一言を言った。

「…!?」

 昨日、弁護士から「これから神崎さんへ近づいたら、罰金を払ってもらいます」と聞かされた事を思い出した三人組は、もはや反論すらできなくなってしまったのだ。

「この事は先生達にもすでに伝えてあるから、これで反省する事ね」

 優雅な仕草で勝利宣言した華は、周りに一礼をした後、教室へと入っていった。    


 教室へ入った華は、いつも通り「みんな、おはよう!」と挨拶した。

「成宮さん!」

「あの三人組に絡まれていたけど、大丈夫だった!?」

 廊下での騒ぎを知った同級生達が、次々と声をかけてくる。

「私は大丈夫よ。みんな、心配してくれてありがとう」

 不安な表情を浮かべていた同級生達へ、華は安心させるように笑顔を見せた。

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