第357話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その63

「成宮華~っ!!」

 次の日、一年一組の教室へ入ろうとした華は、待ち構えていた三人組の怒声に足を止めた。

「あら、貴女達」

「なんで弁護士が家にくるのよ!?」

 根津が一歩前に出て、抗議の口火を切る。

「貴女達が昨日、成宮グループの喫茶店で無銭飲食をしたからよ」

 当たり前、と言わんばかりに華は説明した。

「そんなのしていないわよ!支払いは神崎さんに任せたのだから!」

 飛騨が無実を訴えるように反論するが、

「神崎さんに支払いを押し付けて逃げた場面は、結達が目撃しているわ」

 動かぬ証拠がある!と、華は冷静に言いきった。    

「それに結が、貴女達が支払いを押し付けようとたくらんでいた会話を録音していたの。だから言い逃れは出来ないわよ」

 もう反論どころか抗議が出来ないように、華は冷徹な顔で言い放つ。

「弁護士が来たから、パパ達にものすごく怒られたしー!しかもお小遣いなしのうえ、持っていたお金も取り上げられちゃったからー!!」

 弁護士から神崎への嫌がらせを聞かされた浦達の親は、すぐに神崎への慰謝料も払う事に同意した。そして罰として、浦達の数か月分のお小遣いをなしにしたうえ、今持っていたお小遣いの残りの分を慰謝料として支払うためにすべて取り上げたのだ。

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