第356話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その62
神崎へ支払いを押し付けた三人組は、それぞれ家路に着いていた。
自室に入った後、私服に着替えた根津は机に置かれていた問題集を見て顔をしかめる。また、勝手に部屋に入った親が、圧力をかけてきたのだ。
友達と遊ぶのを認めているから、これを必ず今日中にやっておけ。―両親の重圧に、根津は不機嫌な顔になると、スマホを手にしながら机の前の椅子に座ったのだ。
『今日、楽しかった~!』
根津がラインを送ると、すぐ返事が来た。
『ほんと、ラッキーだったよね!』
『すぐ痩せるサプリのことも聞けたしー!』
飛騨と浦からのラインに、根津は上機嫌になる。この時間が、根津にとって癒しの時間だった。
『今、妹は親といるから、ライン出来るよ』
飛騨には、八歳ほど離れた妹がいる。甘えん坊で、両親に凄く可愛られていた。
『ちょっと遅くなっただけで、妹をほったらかしたどこへ行っていたんだ!と説教よ。妹は友達の家に遊びに行っていたんだから、心配しなくていいのに』
『お姉ちゃん、バイト代で新しいお洋服買ったんだよ。シンプルなお洋服だから、お下がりされても嬉しくないし―』
浦には、大学生の姉がいた。しっかり者で、両親からの信頼は厚い。その分、浦は「妹なんだから我慢しなさい」と言われ続けていた。
『サプリがあれば、私達も痩せれるよね』
『今よりスタイル良くなるなんて、考えただけでワクワクする!』
『お小遣いで買えるし、明日が楽しみー!』
しかし、根津達はこのラインを終えて夕飯を食べ終えた後、玄関のチャイムが鳴ったので出た親から厳しく叱咤される事となった。
なぜなら、成宮グループの弁護士がそれぞれの家に来て、喫茶店での無銭飲食と、神崎への慰謝料を支払うように求めてきたからだ。
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