第354話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その60
「ああ」
ショートケーキを食べ終わった満も、満足な顔をしていた。
(日野沢さんも、ショートケーキが好きなのですね)
自分もショートケーキを選んでいたので、結はなんとなくちょっと嬉しかった。
食べ終わった同級生達には、紅茶やコーヒー、ジュースが運ばれてきた。
「成宮、飲み物代は出すって」
コーヒーを飲む前に、満が華へそう言った。流も、同意するように首を強く振る。
「いいのよ、余ってしまったケーキを食べてくれたから、遠慮しないで」
華と同級生達は、結達のようにケーキバイキングを注文していない。ケーキを取ってテーブルに着いた後、それぞれ飲み物を注文したのだ。
「…成宮さん、すごい」
テーブルの上にあったケーキが、一つ残らずなくなったのを見て神崎は目を丸くした。
「これで、追加料金を出さなくてすむわ。店長へは、私から話はしてあるから」
軽くウインクをしながら、華は安心させるように話す。これにて、三人組からの理不尽な支払いが一つ減ったのだ。
「…同級生達が来てくれるなんて、成宮さん人望あるね」
竹町が、驚いた顔で呟く。結のクラスの生徒がほぼ全員来てくれたのだ。
(根室さんは居ませんけどね)
おそらく、根室は断ったのだろう。それはすぐ想像がついた。
「…ありがとう、成宮さん」
自席から立ち上がった神崎が、華が居るテーブルへと歩いてきた後、華の近くで立ち止まると深々と頭を下げたのだ。
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