第353話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その59

「華さん」

 声をかけられた結が振り向くと、予想外の光景が目に入った。

「日野沢さん…!?」

 制服姿の華の後ろに、二十人以上の同級生達が居たのだ。その中に、満の姿もあった。

「部活が終わった後、成宮さんに声をかけられたんだ。美味しいケーキをご馳走する、って」  

 満の隣に居た流がそう説明する。他の同級生達も「同じ理由」と言わんばかりに頷いていた。

「成宮から、霧島達が大変だって聞いたが、大丈夫か?」

 自分達を心配するような満の言動に、結は「私は大丈夫です」と答えた。

「神崎さん、結から事情は聞いたわ。このケーキは私達が食べるから、安心して」

 そう言うと華は、ウェイター達へ皿とフォークを持ってくるように指示する。そして同級生達は皿を受け取ると、華の指示にそって神崎達のテーブルのケーキを一個ずつ持って行ったのだ。

「おれ、このケーキにする!」

「あたし、ショートケーキ!」

 ケーキを受け取った同級生達はそれぞれ空いたテーブルに座ると、皿にのせたケーキを食べ始めた。

「うまい!」

「おいしーい!」

「ホントにタダでいいの!?」

 ケーキを口に入れた同級生達が、笑顔で感想を言う。あっという間に、二十七個のケーキがテーブルの上からなくなったのだ。

「さすが成宮グループだ。うまい!」 

 華とは別のテーブルに座っていた流が、チョコレートケーキの最後の一口を食べた後、絶賛の声を上げた。    

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