第349話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その55

「霧島さん!」

 騒ぎを気づいた杉村と竹町も、結の元へ駆け寄ってきた。

「だい…じょうぶです」

 学生鞄を両手に持ったまま、結は杉村達にも声をかける。

「ごめんなさい…、私のせいで」

 神崎が謝りながら駆け寄った。それに対し結は、神崎へ学生鞄を差し出す。

「神崎さん、鞄は大丈夫そうです」

 心配させないようにそう声をかけた結へ、神崎は受け取りながら「鞄より、霧島さんの方が大事だよ…」と辛さを滲ませた声を出した。

「すみません、逃げられました」

 立ち上がった結は、少し俯いた顔で神崎へ謝罪する。

「ううん、霧島さんが謝る必要なんかないよ!」

 神崎は激しく首を左右に振る。泣きたかった気持ちを、追い払うように。

「…思っていたより増えてたね」

 杉村が、神崎達のテーブルを見て困った顔になった。そのテーブルには、三十個のケーキが並んでいたのだ。

「…こんなに食べれないよ」

 途方にくれた杉村が、再び泣きそうになる。さらに、四人分のケーキバイキングの代金も払わなければならないのだ。

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