第348話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その54

「霧島さん!」

 結の姿を見た瞬間、神崎の目から一粒の涙が出ていた。

 この苦しい状況を助けに来てくれた。強い眼差しで三人組を牽制していた結を見て、神崎は心の中にあった不安が少し消えていくのを感じていた。  

「…何でアンタがここにいるの!?」

 飛騨が怒鳴り声を上げて、焦った顔になる。右側に居た根津と、反対側の浦も同じ顔になっていた。

「神崎さんが無理やり連れてこられた、と耳にしたんです。どうして、こんな事をしたんですか?」

「うるさいわね!あんたに関係ないでしょ!?」 

 根津が苛立ち、浦も「そうだよー!」と加勢する。

「神崎さんが痩せて綺麗なった事が、気に入らないからですか?」

 結がこれまでの行動から、嫌がらせをした理由を推測する。

「―!」

 返事はなかったが、三人組の図星を突かれた顔が物語っていた。

「…そんな理由で、私に嫌がらせをしていたの…?」

 神崎が、唖然とした顔で呟く。やたらとお菓子を食べさせたりした理由が、一方的なやっかみだった事が分かったからだ。

「うるさい!」

 根津が神崎の学生鞄を結に向かって投げつけた!

「―!?」

 学生鞄を受け止めた結は、勢い余って後ろへ転んでしまう。

「霧島さん!」

 神崎が立ち上がって、結の元へ駆け寄る。

「代金はあの子が払うから!」 

 その隙に飛騨達三人組は、レジを通り過ぎて逃げてしまった。

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