「これが…！？」

　手のひらに乗るくらいの小さな瓶に、細かい文字が印刷されたラベルが貼られている。

「これは一か月前に発売されたダイエットできるサプリなの」

　三人組は神崎が痩せるまで、ダイエットの情報はまったく集めていなかった。それで、こんなサプリがあるとは知らなかったのだ。

「本当なの？」

　根津はつい、疑いの顔で聞いてみる。それに対し、ウエイトレスは自信に満ちた顔で別の写真を見せ始めた。

「実は一週間前、少し太っていたんだ」

　その写真は、水着の写真だった。可愛いビキニの水着だったが、よく見るとウエストが少し太い。

「でも、このサプリを飲んだら、三日後に３センチ減ったんだよ」

　そう言って見せた写真を見ると、確かにウエストは細くなっていたのだ。同じビキニの水着だが、ウエストが細いとますます似合うだ、と思ってしまう。

「…すごーい！」

　目を見開いた浦が、大きな声を出した。

「でも、これ本当なの？」

　飛騨も、根津と同じ疑いの声で聞く。

「ここは、このデパートの５階の写真スタジオで撮ったの。このデパートで水着を買えば、無料でそのスタジオで写真を取れるんだよ」

　スマホの画面を操作すると、そのスタジオで続けて撮った都会的なカッコ良さのデザインの水着の写真を見せた。その写真の背景を見ると、このスマホの水着の写真は同じスタジオで撮ったものだと分かる。

　さらにウエイトレスは、そのスタジオを使うために送った予約のメールを見せた。それには、一週間前と三日前の夕方の時間がはっきりと書かれていたのだ。

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