第341話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その㊼
「…あれは」
杉村が戻り、竹町が飲み物を取りに行っていた時、結は通り過ぎていた女学生を見て小さな声を出していた。
「杉村さん、ちょっとトイレに行きます」
学生鞄を手に持った結は、向かい側でアイスティーを飲んでいた杉村へ小声でそう声をかけた。
「わかった」
杉村は頷くと、結はゆっくりとトイレへ向かう。ちなみに鞄を持っていたのは、貴重品が入っていたからである。
トイレへ入った結は、周りを伺いながら慎重に歩き始める。浦が、どこに居るのか分からないからだ。
(確か、ここはパウダールームがあったはず)
前に華から聞いた情報を思い出しながら、結は入り口から左側にあるパウダールームを通り過ぎる。そこは三枚の大きな鏡が設置されており、その前には化粧品が置けるように棚が設置されていた。
通り過ぎた結は、トイレに入らず一旦体の向きを変える。そしてパウダールームの入り口まで忍び足で近づいていった。
(居ました)
結より少し背が低い女子高生が、鏡の前で立っていた。身支度を整えているのではなく、その場で誰かを待っている、という感じだ。
(一対一なら、まだ対等に話せるかもしれません)
結がここへ来たのは、浦と一対一で話すチャンスがあると思ったからだ。今までは三人一緒で話してくるため、結はなかなか対等に話せなかった。
一人しかいない今なら、まず浦へ神崎への嫌がらせを止めさせるための話し合いが出来る。そう考えた結は話しかけようとしたが、
「おまたせ~」
パウダールームへ、別の女子高生達が入ってきた。
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